顎変形症の矯正は保険適用になる?外科矯正の条件・費用・治療の流れを専門医が解説

受け口・しゃくれ・顔の歪み・重度の出っ歯など、骨格そのものに原因がある噛み合わせは「顎変形症」と呼ばれます。結論として、顎変形症と診断され国の認定を受けた「顎口腔機能診断施設」で治療を受ける場合、矯正治療と顎の手術の両方に健康保険が適用されます。通常は自費で100万円以上かかる矯正治療が、3割負担+高額療養費制度の活用で自己負担を大幅に抑えられるケースがあります。本記事では条件・費用・治療の流れを解説します。

顎変形症とは?どんな状態?
矯正歯科GoSmile横浜の矯正症例

顎変形症とは、上あご・下あごの骨の大きさ・形・位置のずれが基準を大きく超えており、歯の移動だけでは噛み合わせを改善できない状態を指します。代表的な症状は、下顎前突(受け口・しゃくれ)、上顎前突(重度の出っ歯・口ゴボ)、顔面非対称(顎変位)、開咬(奥歯を噛んでも前歯が閉じない)、過蓋咬合(噛み合わせが極端に深い)などです。

これらは見た目だけの問題ではなく、咀嚼・発音・顎関節への負担など機能面にも影響します。骨格そのものに原因があるため、通常の矯正治療単独では根本的な改善が難しいのが特徴です。

外科矯正とは?保険が適用される仕組み

外科矯正(顎変形症治療)は、歯列矯正と顎の外科手術を組み合わせて骨格レベルから噛み合わせと顔貌を改善する治療です。顎変形症は医学的な「疾患」と位置づけられているため、次の条件を満たす場合に健康保険が適用されます。

①顎口腔機能診断施設(または自立支援医療指定機関)の認定を受けた医療機関で治療を受けること、②顎機能診断の結果、外科手術を伴う治療が必要と診断されること、③術前矯正→手術→術後矯正という保険診療のルールに沿うこと。

重要なのは、認定を受けていない医療機関では症状が顎変形症であっても保険で治療できない点です。受診前に医院のホームページ等で「顎口腔機能診断施設」の認定有無を必ず確認しましょう。当院は2000年の開院時から横浜市にてこの認定を受けています。

外科矯正の費用はどのくらい?

保険適用(3割負担)の場合、矯正治療と手術・入院費を合わせた自己負担の目安は総額25万〜35万円程度とされています。さらに手術費用には高額療養費制度が適用でき、所得区分によっては手術月の自己負担が大きく軽減されます。支払った医療費は医療費控除の対象にもなります。

自由診療の矯正が一般に60万〜150万円程度かかることを考えると、骨格性の症状に悩む方にとって保険適用の外科矯正は経済的負担を大きく抑えられる選択肢です。なお保険診療では使用装置が原則マルチブラケット装置(表側ワイヤー)に限定され、マウスピース型や裏側矯正は選択できない点には注意が必要です。

外科矯正の治療の流れ

①初診相談・精密検査(セファロ分析・3D診断・顎機能検査で手術の必要性を診断)→②術前矯正(約1〜2年。手術後に正しく噛むよう歯の位置を整える)→③顎矯正手術・入院(1〜2週間程度)→④術後矯正(約半年〜1年。噛み合わせの最終調整)→⑤保定(後戻りを防ぐ)。

手術は身体の成長が止まってから行うため、おおむね男性17〜19歳、女性16〜18歳以降が適応の目安です。

「サージェリーファースト」という選択肢
モテスマイル式フェイスデザイン理論

従来の外科矯正は術前矯正に1年以上かかり、その間は一時的に見た目が悪化する課題がありました。サージェリーファーストは先に手術を行ってから矯正を進める方法で、顎のずれや非対称といった骨格ラインを早期に整えるため、顔の印象変化を治療の早い段階で実感できるのが特徴です。

当院ではこのサージェリーファーストを「モテスマイル式フェイスデザイン理論」と融合させ、骨格・表情・歯列・笑顔のすべてを統合した治療設計を行っています。骨格のずれを先に整えた上で、表情筋の動きやスマイルラインまで含めて仕上げるアプローチであり、保険適用の従来法と比較した上で選択できます。

手術なしで治す選択肢はある?

「骨格に問題がある=必ず手術」ではありません。症状の程度によっては、アンカースクリューを活用したカモフラージュ治療(歯の移動で骨格のずれを補償する治療)で、手術なしでも満足できる改善が得られるケースがあります。

重要なのは「手術あり」「手術なし」両方の治療計画を精密に立案できる医院を選ぶことです。どちらか一方しか提案できない医院では治療ゴールの比較ができません。当院は手術あり/なしそれぞれのゴールの違い(噛み合わせ・横顔・顔貌の変化)をシミュレーションで提示し、患者自身が選択できる体制をとっています。

よくある質問

Q. 自分が顎変形症かどうかはどうすればわかりますか?
A. 自己判断はできません。顎口腔機能診断施設での精密検査(セファロ分析・顎機能検査等)で骨格のずれの程度を計測して診断します。受け口・顔の歪み・重度の出っ歯などが気になる方は、まず認定施設での相談をおすすめします。

Q. 手術は危険ではありませんか?
A. 顎矯正手術は確立された術式で、経験豊富な医科・歯科チームのもとで安全に行われています。当院では顎変形症治療の経験豊富な医科・歯科チームと連携し、治療開始から終了まで一貫して担当しています。

Q. 保険で裏側矯正やマウスピース矯正はできますか?
A. できません。保険診療では装置を患者が選ぶことはできず、原則マルチブラケット装置(表側)を使用します。装置の見た目を優先したい場合は自由診療を選ぶことになります。

Q. 治療期間はトータルでどのくらいですか?
A. 術前矯正・手術・術後矯正を合わせて2〜3年程度が一般的な目安です。サージェリーファーストでは顔貌の変化を早期に得られますが、総治療期間は症例によります。

監修:矯正歯科GoSmile横浜

横浜駅西口徒歩3分。厚生労働省認定「顎口腔機能診断施設」(2000年開院時より認定)。担当医は日本矯正歯科学会認定医・世界矯正歯科医会(WFO)フェロー。歯科大学矯正歯科時代から顎変形症を専門とし、研究を含めた治療歴は30年超。日本顎変形症学会・日本顎関節学会・頭蓋顎顔面外科学会所属。タイ・チュラロンコン大学の軟組織・硬組織外科国際コース修了。「手術あり」「手術なし」両方の治療計画を比較提示できる体制が特徴です。初診相談は無料キャンペーン実施中(通常3,300円)

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